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2015年7月20日月曜日

【内閣支持率 強行採決の影響】支持率37%(−2)強行採決が原因の「支持率の急落」はなかった

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朝日新聞が、7月2回めの世論調査を行った。安保関連法案の強行採決の影響を調べるためだと思われる。結果は−2の37%。強行採決直前の世論調査と比較して微減。急落はなかった。
朝日新聞が、7月2回めの世論調査を行った。安保関連法案の強行採決の影響を調べるためだと思われる。結果は−2の37%。強行採決直前の世論調査と比較して微減。急落はなかった。
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内閣不支持46%、支持37% 朝日新聞社世論調査

安倍内閣支持率推移グラフ朝日新聞7月
■安保法案採決「よくない」69%/新国立白紙「評価する」74%

質問と回答〈7月18、19日実施〉
 安全保障関連法案の衆院通過を受け、朝日新聞社は18、19の両日、全国緊急世論調査(電話)を実施した。安倍内閣の支持率は37%(前回39%)不支持率は46%(同42%)で、第2次安倍内閣の発足以降、支持率は最低、不支持率は最高だった。安保関連法案の衆院可決への進め方は、69%が「よくなかった」と回答。安倍晋三首相が新国立競技場の建設計画を白紙に戻すと表明したことは、「評価する」が74%にのぼった。

 安倍内閣の支持率は、6月調査と今月11、12両日の前回調査はいずれも39%で、3回連続で40%を下回った。不支持率は、男性が前回調査に比べてほぼ横ばいの41%に対し、女性は前回の43%から50%となった。安保関連法案の賛否は、「賛成」29%、「反対」57%で、6月の調査から3回連続で反対が半数を超えた。

 安保関連法案は衆院特別委員会で自民・公明両党が採決を強行し、衆院本会議では多くの野党が採決に加わらないまま可決された。こうした与党の進め方は「よくなかった」69%に対し、「よかった」は17%にとどまった。

 安倍首相が憲法改正の手続きをとらずに政府の憲法解釈を変え、集団的自衛権を使えるようにする法律整備を進めていることには、「適切ではない」が74%で、「適切だ」の10%を大幅に上回った。安保関連法案の今国会成立は慎重姿勢が多数で、「必要はない」69%が「必要がある」の20%を大きく上回った。

 他方、安保関連法案をめぐる野党の対応は、「評価する」21%、「評価しない」は55%だった。

 2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場については、2520億円をかける建設計画に、前回調査では71%が「反対」と答えていた。こうした世論の批判を受け、安倍首相は17日、計画を白紙に戻すと表明。この表明を「評価する」74%は、「評価しない」14%を大幅に上回った。

 ただ、「評価する」と答えた人で内閣を支持する人は41%、支持しない人は45%と拮抗(きっこう)。首相の白紙に戻すとの表明は、支持率下支えの一要因にはなったが、支持率上昇につながるほどの影響力はなかったとみられる。

世論調査―質問と回答〈7月18、19日実施〉

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は、7月11、12日の調査結果)

内閣不支持46%、支持37% 朝日新聞社世論調査
◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。

 支持する37(39)
 支持しない46(42)

◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。

 自民31(32)▽民主9(8)▽維新3(3)▽公明4(4)▽共産4(4)▽次世代0(1)▽社民1(0)▽生活0(0)▽元気0(0)▽改革0(0)▽その他の政党0(0)▽支持政党なし41(38)▽答えない・分からない7(10)

◆今の国会に提出された安全保障関連法案についてうかがいます。集団的自衛権を使えるようにしたり、自衛隊の海外活動を広げたりする安全保障関連法案に、賛成ですか。反対ですか。

 賛成 29(26)反対 57(56)

◆この法案は、衆議院の委員会で自民党と公明党が採決を強行し、衆議院の本会議では野党の多くが採決に加わらないまま、可決されました。自民党と公明党のこうした進め方は、よかったと思いますか。よくなかったと思いますか。

 よかった 17よくなかった 69

◆安倍首相の安全保障関連法案についての国民への説明は、丁寧だと思いますか。丁寧ではないと思いますか。

 丁寧だ13(15)
 丁寧ではない72(67)

◆安全保障関連法案をめぐる野党の対応を、評価しますか。評価しませんか。

 評価する 21評価しない 55

◆安倍政権は安全保障関連法案を、今開かれている国会で成立させる方針です。この法案を、今の国会で成立させる必要があると思いますか。今の国会で成立させる必要はないと思いますか。

 今の国会で成立させる必要がある20(19)
 今の国会で成立させる必要はない69(66)

◆安全保障関連法案で自衛隊の活動範囲が広がると、自衛隊が戦闘に巻き込まれるリスクが高まると思いますか。高まらないと思いますか。

 高まる 79高まらない 13

◆安全保障関連法案が成立すると、外国が日本を攻撃しにくくする抑止力が高まると思いますか。高まらないと思いますか。

 高まる 35高まらない 42

◆安倍首相は、憲法改正の手続きをとらずに政府の憲法の解釈を変え、集団的自衛権を使えるようにする法律の整備を進めています。こうした安倍首相の、憲法改正の手続きをとらない進め方は適切だと思いますか。適切ではないと思いますか。

 適切だ 10適切ではない 74

◆東京オリンピックとパラリンピックにむけて、新たな国立競技場を2520億円かけて建設する計画について、安倍首相は、計画を白紙に戻して見直すと表明しました。安倍首相のこの判断を評価しますか。評価しませんか。

 評価する 74評価しない 14

     ◇

 〈調査方法〉 18、19の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は2116件、有効回答は1228人。回答率58%。

情勢分析

朝日新聞の情勢調査は、7月は2回目となる。
  • 1回目調査期間 11日、12日
  • 2回目調査期間 17日、18日
他のメディアと比較して、最も、強行採決前と後の「差」について反映できている世論調査だといえる。

結果は、

支持  37(前回39)
不支持 46(前回42)
合計  83(前回81)

内閣支持率の変化は、「微減の−2」。不支持率は「微増の+4」となっている。

前回の世論調査の分析の際に、私は「支持率低下は、底を打った可能性がある」とみなして、強行採決によって大幅な内閣支持率の低下はない、と予測した。今回の結果は、私の想定と一致している。強行採決によって、大幅に支持率が低下するという動きにはなっていない。

▼安保関連法案の審議と朝日新聞調査の支持率
4月 44%
5月 45%
6月 39%
7月 39%(11日12日)
7月 37%(17日18日)

安保関連法案は5月からスタート。審議期間中の下げ幅は、7%。下落のペースは1ヶ月につき2%強と見ておく。

同時期に調査を行った、共同通信と毎日新聞の数値は以下のとおり。

▼毎日新聞調査
4月 47
5月 45
7月 42(4、5日)
7月 35(17,18日)

▼共同通信調査
4月 52・7
5月 49・9
6月 47・4
7月 37・7(17,18日)

審議機関中の下げ幅は、毎日新聞は「−12」、共同通信は「−15」と言える。

世論調査の結果は前月比だけ追いかけても、調査期間が微妙に異なることによる「影響ファクター」が異なるために全体像が見えにくい。このようにして期間を広げることによって、特定のテーマ(今回は安保関連法案の審議)の影響を分析することは可能だ。だが当たり前だが、因果関係をはっきりさせることは不可能である。

朝日、共同、毎日の調査結果は、似たような値に近づいている。下げ幅が異なるのは、前回の調査との期間が違うことが理由だ。

強行採決そのものが内閣の支持率を大幅に下げる結果にはならなかった、ということが朝日の世論調査の結果、言えることだろう。

今後の支持率の下落傾向は続くだろう。ただしこれまでと同じペースで進むとは限らない。なぜなら、世論調査の結果は、100%の内訳でしか無いからだ。ある程度変化した後は、膠着する状況が生まれる。

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